2026/06/15 インターナショナルスクール
「インターナショナルスクールに通っているのだから、わざわざ英文法を勉強する必要はないのでは?」
これは保護者の方からよくいただくご質問の一つです。
確かに、お子さまは毎日英語で授業を受け、先生や友達と英語で会話をしています。そのため、一見すると文法学習は不要に思えるかもしれません。
しかし実際には、インターナショナルスクールに通うお子さまの中にも、
-
英語は話せるのに文章が書けない
-
Writing Assignmentに時間がかかる
-
エッセイを書くことを嫌がる
-
Readingはできるのに作文になると手が止まる
-
学年が上がるにつれて学習が苦しくなっている
という悩みを抱えている子どもたちが少なくありません。
その原因の一つが、「文法を体系的に理解する機会が不足していること」です。
本記事では、なぜインターナショナルスクール生にも文法学習が必要なのか、そしてWriting力との関係について解説します。
「話せる」と「書ける」は別の能力
まず理解しておきたいのは、
Speaking(話す力)とWriting(書く力)は別のスキルである
ということです。
例えば、子どもたちは日常会話の中で、
“I like soccer.”
“I went to the park.”
“It’s fun.”
といった表現を自然に使うことができます。
しかし、Writing Assignmentで
「なぜそう思うのか」
「具体例を挙げて説明しなさい」
という課題が出された途端に、文章が書けなくなることがあります。
これは英語力がないからではありません。
話し言葉と書き言葉では求められる力が異なるからです。
Writingでは、
-
文法的な正確さ
-
文の構造
-
論理的なつながり
-
段落構成
が求められます。
つまり、会話だけでは十分に身につかない力が必要になるのです。
初等部で見られる典型的なWritingの課題
インターナショナルスクール初等部の生徒によく見られる課題として、次のようなものがあります。
① 文が短く、発展しない
例えば、
“I like dogs.”
だけで終わってしまうケースです。
本来であれば、
“I like dogs because they are friendly and playful.”
のように理由を加えたり、
さらに具体例を加えて文章を発展させたりする必要があります。
しかし、その方法が分からないため、短い文のまま止まってしまいます。
② 時制のミスが多い
Yesterdayを使っているのに現在形を書いてしまうなど、
時制の理解が曖昧なケースです。
会話では多少間違えても通じますが、Writingでは正確性が求められます。
③ 接続詞が使えない
文章を書く上で重要な
-
because
-
but
-
so
-
although
-
however
などの接続表現を使いこなせない子どもは少なくありません。
その結果、
短文の羅列になってしまい、
アカデミックな文章として評価されにくくなります。
④ Sentence Structureが理解できていない
文章を書く際には、
主語(Subject)
動詞(Verb)
目的語(Object)
の関係を理解する必要があります。
例えば、
“The boy is playing soccer.”
という文を正しく作れることは、
長い文章を書くための土台になります。
しかし、構造を理解せず感覚だけで英語を使っている場合、学年が上がるにつれてWritingの壁にぶつかることがあります。
文法は「テスト対策」ではなく「思考の道具」
日本の英語教育では、
文法=受験勉強
というイメージを持たれがちです。
しかし本来、文法は文章を書くためのルールです。
例えば日本語でも、
主語と述語の関係が崩れていれば読みづらくなります。
英語も同じです。
文法を学ぶことで、
-
自分の考えを整理する
-
正確に伝える
-
誤解なく表現する
ことができるようになります。
つまり、文法はテストのためではなく、
Writingを支えるための道具
なのです。
Grade 3〜5で差が広がる理由
インターナショナルスクールでは、Grade 3〜5頃からアカデミックなWritingが増えていきます。
例えば、
-
Book Report
-
Opinion Writing
-
Narrative Writing
-
Research Project
などです。
この段階になると、
単語を知っているだけでは対応できません。
文章を組み立てる力が必要になります。
そして、この時期にWritingで苦戦すると、
英語の授業だけでなく、
Science
Social Studies
History
など他教科にも影響が出始めます。
なぜなら、インターナショナルスクールでは「英語で学ぶ」からです。
EAL生こそ文法学習が重要
英語を追加言語として学ぶEAL(English as an Additional Language)の子どもたちは、
ネイティブスピーカーと同じ環境にいても、
自然習得だけで十分なWriting力を身につけることは難しい場合があります。
だからこそ、
-
文法
-
Sentence Structure
-
Paragraph Writing
を意識的に学ぶことが大切です。
これは受験英語のような暗記型学習ではありません。
実際のReadingやWritingの中で、
英文の仕組みを理解していく学習です。
まとめ
インターナショナルスクール生にとって、文法学習は決して不要なものではありません。
むしろ、
-
Writing Assignment
-
Essay Writing
-
Academic English
に対応するための重要な土台となります。
特に、
「話せるのに書けない」
「Readingはできるのに作文が苦手」
というお子さまの場合、
英語力そのものではなく、文法や文章構造の理解が課題となっている可能性があります。
文法は英語を縛るルールではありません。
自分の考えをより正確に、より豊かに表現するための道具です。
インターナショナルスクールで学ぶ子どもたちにとっても、適切な文法学習はWriting力を伸ばし、将来的なアカデミック英語力の大きな支えとなるでしょう。
Inter-Brains English株式会社について
Inter-Brains English株式会社は、「英語を学ぶことを、その先の世界や選択肢につなげる」をテーマに、子どもから大人までの英語教育サービスを企画・運営しています。
OUCHI INTER(おうちインター)
幼児から高校生までを対象とした、子ども専門の英語教育サービスです。オンラインレッスンと講師がご自宅へ伺う対面レッスンを通して、一人ひとりの年齢や英語力、学習目的に合わせた学びを提供しています。
英会話だけでなく、フォニックス、リーディング、ライティング、文法、英検対策まで、将来につながる総合的な英語力を育てます。
LATVER ENGLISH(ラトバーイングリッシュ)
「英語の語順で考え、自分の言葉で話す力」を育てるAI英語学習サービスです。
日本語と英語の語順の違いを視覚的に理解する学習方法と、AIによる会話・発音・表現練習を組み合わせ、英語を知識として覚えるだけでなく、実際に使えるようになることを目指しています。
本コラムでは「AI時代の英語教育」をテーマに、子どもから大人までの英語学習、バイリンガル教育、留学、教育の選択肢、AIとの向き合い方などについて、特定の教材やサービスに偏らない情報発信を行っています。
※記事内で紹介する調査結果や見解は、各記事に記載した情報源に基づいています。当社サービスの紹介部分は、記事本文と区別して掲載しています。