幼児英語教育のギモンー歌って踊っては本当に身につくのか?

2022/09/01 幼児英語教育のギモン

こんにちは!おうちインター運営事務局の宮下です。

◆前回の記事:英語を学ぶことの本当の目的は「話せるようになること」ではない理由

 

子供の英会話レッスンによく取り入れられるのが「英語の歌」です。ご家庭で英語教育を取り入れてる親御様からもよく「日頃英語の歌を聞かせてます」というお話を聞きます。

ではなぜみなさん『歌』を取り入れるのでしょうか?そして本当に英語力アップにつながるのでしょうか?

なぜ『歌』を歌うのか。

英語に限らず幼児教育、育児の中には必ず「歌」があると思います。テレビの幼児番組をつけても『歌』、保育園や幼稚園でも『歌』、育児中のご家庭でも「歌」。

第一言語を身につけるためにも、「歌」は大きな役割を果たしていると言えると思います。

では先生たち、また親はなぜ子供に歌を聞かせるのでしょうか。

言語が完璧に発達していない子供にとってリズムのある歌はとても耳障りのいいものです。

そして繰り返し同じものを聞く中でそのメロディーやリズムを覚え、それについてくる言葉を自然と少しずつ覚えていきます。普通の会話だと繰り返し同じテンポで同じリズムで同じ文章を繰り返すことはあまりないので、メロディーやリズムが決まっている歌は子供にとって覚えやすいと思われます。

それが第一言語でも第二言語でも同じことが言えるのではないでしょうか。

例①Hear Shoulders Knees and Toes

まだ言葉が発達していない子供に日本語と同時進行で英語を教える場合、歌を聞かせると自然と体がリズムを覚え、脳は歌詞(意味ではなく音)を覚えます。そこにダンスやジェスチャーがついてくると、自然と頭の中で歌詞と動作がリンクし、子供にとって初めて「意味」を成すことがあります。

 

わかりやすい「歌」の例をあげると、英語の童謡で「Hear Shoulders Knees and Toes」という歌があります。この歌は、Head(頭)、Shoulders(肩)、Knees(ひざ)、 Toes(つまさき)を両手で触りながら歌って踊る幼児向けの定番ソングです。この歌のように、耳で聞こえてるものと自分の手が触れているものが「同じもの」と認識すればすぐに体のパーツを歌で覚えることができます。

 

また、子供は「ものまね」が得意ですが、英語の歌を聞いても、この単語はこのスペル、このフレーズはこういう文法、という風に考えることはありません。聞こえるがままに口ずさみます。だからこそ「本当の発音」を身に着ける良いトレーニングにもなります。

例えばこの歌だと、”Head”は「へっ」に聞こえるともいます。スペルがわかってしまう大人だと「ヘッド」と発音したくなるかもしれませんが、子供はその点考えずに同じように「へっ」と言います。なので「頭=へっ」と覚えることができます。

例②「アナと雪の女王」のレリゴー”Let it go”

同じようなことがあの社会現象にもなった「アナと雪の女王」の”Let it Go”でもみられました。

子供たちはみんな口をそれえて「れりごー」と歌っていました。きっとこの時「あれ?レットイットゴーじゃないの?」と思った大人も多いはずです。でも子供たちはスペルや一つ一つの単語を気にせずフレーズとして「レリゴー」を覚えていました。この時に「れりごー」ってこういう意味なんだよ、と誰かに教わり、”Let”の発音は「れ」でいいんだ!と気づかせてあげられたら、その子の英語はネイティブの発音にまた一歩使づいたことになります。

日本語と英語のチャンキングや抑揚を身体で覚える

また、単純に日本語と英語のリズムや抑揚のつけ方は全く違います。

英会話教師をしている中で時々、英語を日本語を話すように(日本語のリズムで)話される生徒様がいらっしゃいました。その方がもし「英語のリズム」でお話をされたらさらに流暢に、またネイティブらしさもでるのにと思った記憶があります。

ですので、歌を通して、「あのフレーズはこういう風に言うんだ!」「あの単語はここにアクセントつけるんだ!」「この単語とこの単語が隣り合わせだとこういう音になるんだ!」という発見をたくさん見出せると、「歌」はとても良い教材にもなるのです!

歌を何度も聞くと体でリズム、メロディ、歌詞を覚えることができて、歌の使い方によってはしっかりと意味を覚えさせることもできてしまいます。

このような観点から「歌」は幼児教育・英語教育に多く使われているのだろうと思います。

もちろんすべての子供たちが歌に興味を示すわけではありませんが、英語教育にご興味があるご家庭でしたら、子供が幼いころから日常的に取り入れていると、知らないうちにそのリズムが体に染みつき、生活の中で意味と結びつき、ボキャブラリーが増えるきっかけになるかもしれませんね。

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